投薬
「エサには抗生物質を一切使用していません!」は優良誤認のおそれ

ネット通販サイトや道の駅のたまごコーナーにはたまに「エサに抗生物質は不使用」であることを力強く掲げている養鶏事業者がいます。このような売り文句は放し飼いや完全自家配合のエサなど、何かしらこだわりの卵を作っている小規模事業者に多い印象を受けます。

 

ですが、日本の法律『飼料安全法』ではそもそも生後10週以上の採卵鶏に抗生物質の投与を認めていません。よって、日本では採卵中の鶏のエサに抗生物質を投与すると法律に抵触してしまいます。

一般の事業者が「抗生物質不使用」を謳っていないのはわざわざいうまでもない当然の事だからです。

 

「抗生物質不使用」を掲げる事業者は、この事実を知っているのかどうか…。知っててやっているのであれば神経図太すぎるし、知らないのであれば養鶏事業者として基本的な勉強ができていません。

近年はネットやSNSで比較的容易に情報拡散ができるようになり、このような事業者の声も簡単に一般消費者に届くようになってしまいました。一見耳障りの良い言葉なだけにその誤った情報に気づく消費者は 少ないのではないかと危惧しています。